失くしてしまっても、また拾い集めればいい。探し物はわかっているのだから

忘却は神が与えた最大の恩寵、確かにそういう時もある。嫌なこと、悲しいこと、忘れられたらどんなにいいか。でも、忘れたくないことについてはどうだろう? 忘却は残酷、自分でコントロールなんてできない。あなたがどんなに大切にしたいものでも、きっと忘れてしまう時が来る。それは10秒後?明日?それとも今の自分がいなくなった時?
だから私はこうして書き残す、自分がこの小説に出会えた今この瞬間の気持ちを。そうしておけば、たとえそれを忘れてしまっても、自分のページを開けばいつでも出会えるのだから。あなたもこの小説を読んで感じたことを、ぜひここに書き留めてほしい。自分の気持ちを取り戻したい時が、きっと来るはずだから。

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