場面[6/6]

ナレーター: さて、そのころ、ベツレヘムの馬小屋の前では‥‥、

      ヨセフさんが、馬小屋を追い出されて、おろおろしている所でした。


ヨセフ  :「あー、まだかなあ、まだかなあ、大丈夫かなあ、おれのマリア。どうぞ神様、マリアをお守り下さいませ。ややや、何だありゃあ!?」


ナレーター: 馬、羊と羊飼い、そうして、外国の学者たちという不思議な一団が町に乗り込んで来たのです。誰もがびっくり。


学者1  :「子供が生まれようとしている馬小屋はここかね? あなたがお父さんかね?」

ヨセフ  :「へい、さようでございますけど、こりゃ一体、何の騒ぎが始まったんで?」


ナレーター: 学者と羊飼いたちは、口々に言いました。


学者1  :「いや、君、大変なのだよ。星は光るはヘロデ王は怒る」

羊飼い1 :「それが、大工のだんな。聞いてくれよ。俺たちはついさっきまで、メシを食おうとしてたんだけどさ」


ナレーター それぞれが勝手に話し出すものだから、ヨセフさんはチンプンカンプン。


ヨセフ  :「ええい! 俺は聖徳太子様じゃねえぞ!」


ナレーター: その時です。馬小屋から、元気な子供の泣き声がしました。


赤ん坊  :「オギャー、オギャー、オギャー!」

一同   :「生まれたあ!」


ナレーター: みんなが馬小屋に駆け込むと、飼い葉桶の中に、可愛い男の赤ん坊がいたのでした。体重三千グラム。母子共に健康。


学者1  :「おめでとう、ご主人。あなたの子供は神様に祝福されているのだよ」


ナレーター: 学者たちはそう言って、東の国から持ってきた珍しい宝石類をヨセフさんにプレゼントしました。


羊飼い1 :「おめでとう、大工のだんな」


ナレーター: 羊飼いも、よく太った羊を一頭、お祝いにくれました。


学者2  :「だが、のんびりもしていられないのだ。ヘロデ王が、この子をつかまえようとしているのだ」


ナレーター: これを聞いて、ヨセフさんは、またまた怒ってしまいました。


ヨセフ  :「俺のマリアと子供には、指一本触れさせねえぞー!」

羊飼い2 :「だんな。怒っている場合でねえべ」


ナレーター: 羊飼いたちは、ヨセフさん一家を、連れてきた馬に乗せてすぐに町から逃がすことにしました。

       そのすぐあとで、ヘロデ王の兵隊が町にやって来ましたが、もう遅い。ヨセフさんたちは、エジプトに逃げてしまっていました。

       こうして生まれたのがイエス・キリスト様です。12月25日クリスマスは、イエス様のお誕生日なのですよ。

       おしまい。


https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=16640407

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【OHP芝居】ヨセフとマリアの新婚日記 デリカテッセン38 @Delicatessen38

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