執筆こそ生き残るための営み

人間、誰しもスーパーマンではありません。それぞれの人にとって出来ないことがあります。普通のことです。

と簡単に「普通」と書いたのですが、もし自分が「普通」のことが出来ないと知ったら、どれほど苦しく、どれほど心が痛いか。

当エッセイの筆者は、これまで大きな問題を起こさず生活できていましたが、新しい職場に入ったことで自分には「普通」のことが出来ないと知ります。というか、突きつけられます。

「普通」のことが出来ないと苦しいです。しかし自分の特性を変えてくれる薬も魔法もありません。今の自分のまま生きるしかありません。

するとどうするか。筆者は自分の中で出来事を思い返して意味づけしていきます。傍から見れば愚痴を吐いています。しかし出来事に新しい意味を付ける、ある意味では茶化すことが明日を生きるために必要なのです。

そう。このエッセイを執筆することそのものが明日に生き残るための営みなのです。現世を生き残るために書く、その壮絶な現場を目撃できます。筆致はおちゃらけていますが。

なお職場の環境にも思うところはあります。レビューアーはソフトウェア開発企業の従業員ですが、途中に出てきた電子決済(いわゆる「なんとかPay」)の動作については筆者の指摘に同感するもので、きっとどこかでクレームが開発元に上がって中の人が苦労するんだろうなあ……と、筆者とは別の(ある意味では敵対する)視点で眺めたりもしました。

生きるって大変です。みんな苦労しているのに、どうして他人の苦労まで知る必要があるのか。理由の一つは新しい対処法を学べることです。書くことで生きる姿を当エッセイで学べます。

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