第七十二話:『成り上がる』武士~検証㉔~
※※ 72 ※※
見るともなしに見た窓の外は当然のように黒色。視界を
「灼。そろそろ寝るか? まあ、明日は休日だけど……」
数秒、
「このままだと中途半端だし、まだ続けましょう」
灼が俺に笑いかけた。その満面の笑顔に今さら意識することではないが、
「そ……そ、そうか。じゃあ続けるか」
灼も深く追及せずに
「先ほどは『源氏』側から話したが、今度は『平氏』側だ。平
今度は意地悪く笑う灼。その笑顔を
「
と先を見抜いて質問をした。
「そうだ。伊勢国司と共に
俺はミルクティーを
「まあ、お前の言う通り
灼は少し考え、自分の知っていることを、できる形にして示した。
「平
「
「ちょ、ちょっとッ。
ごく自然に驚く灼に俺は向き直った。
「むしろ逆だな。
灼は絶望を嘆息に変え、
「
言ってから俺と向き合った。
「坂東平氏だけでなく伊勢平氏も取り込んでいく
苦笑に
「あたし、勝手に『源氏』は
「ああ。俺の私見ではあるが、
灼は
「
俺は首を振って灼の言葉を切る。
「源
実際、源
灼はゆっくり首を回して
「まあ……
向けられた視線に俺は同意の色を見せた。
「
しかし、この後に起きる『前九年・後三年の役』で活躍した坂東平氏に
「あんたがさっき言った千葉
即答を受けた俺は感嘆だけではない喜びで笑う。
「
また、直属軍武士として
「え? え、え……と。単なる呼び方の違い? でも、あんたがわざわざ言うんだから理由があるのね」
灼は
「『
普段から一緒に『
「そうだな。通説では
しかし、この差異に伊勢平氏を『平家』として権門まで出世させた理由が
俺の言葉に、灼は自然と
「平
「
なんとなく納得している
「ここからが俺の私見だ。確かに注目度抜群の
灼は
「死因不明?
俺は灼の質問には答えず、その先を口にする。
「平
つまり
いまいち
「平
灼の
「
ついでに
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2024年9月20日 12:00 毎日 12:00
歴めろ。 武田 信頼 @wutian06
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