本の悪魔と旅人

旅人は訪れた廃墟にてある少女と出会った。
かつて芸術都市として栄華を誇ったこの街は、悲劇を叶える本の悪魔によって滅ぼされたのだという。

少女が語るのは、劇団［珊瑚占い］に降りかかった悲劇、兄が書いた脚本、そしてこの芸術都市の滅びの軌跡。
悪魔アンティノーゼ曰く、自分は人間が望んで止まない“悲劇”を叶えているに過ぎない、と。
「そんなことはない。みんな幸せを願っていた筈」
本屋の娘リディアは兄の脚本を読み解き、本を巡りハッピーエンドを探し続けることで、悲劇の悪魔に抗い続けた。


※物語の解釈を軸にした物語です。大分辛い展開になります。
各章の最初は脚本（作中作）のあらすじとなります。
その章以外でも、作中作が度々入り、それらは『＝＝＝＝』で仕切っています。
既存の物語っぽいもの、典型的なが…続きを読む