私は斎宮に仕える白拍子の前に、一人の女だった。
- ★★★ Excellent!!!
神話があった。天にいる天帝は、天から愛おしい人間たちを見守っていた。しかし、人間の世界に四つの災いが降り注ぎ、人間たちは無残に殺されていった。それを悲しんだ天帝を見た天帝の妃は、天から人間の世界に降り、四つの災いをその身に封じた。これによって、人間界に平和が戻った。
主人公は斎宮に仕えている白拍子。都からの召喚に応じて、今夜の宴では一人で舞うことになった。しかし、舞を終えたその晩に、主人公に懸想し、夜這いに来た男がいた。男から逃げる主人公を助けたのは、不思議な術を使う一人の男性だった。男性は主人公に子供を所望する。白拍子として軽んじらることに怒りを感じていた主人公だったが、男性の説明を受け、身を穢すことなく子供を授かる。しかし、男性はこの子供に対してスパルタだった。一体何故?
そんな折に、主人公の双子の妹が都にやって来る。男性は斎宮である妹を手厚く歓迎し、仲睦まじい姿を見せる。それを見た主人公は、自分は身を引くべきだと思い、都を出る覚悟を決めるのだが……。
果たして、男性の正体は?
何故男性は子供に対してスパルタなのか?
そして、主人公に隠されていた秘密とは?
一人一人のキャラクターが魅力的で、神話が鍵となって物語が展開し、
そこに恋愛やバトル要素が組み込まれている一作です。
特に和風ファンタジーが好きな方にお勧めです。
是非、御一読下さい。