魔法はきっと、胸の中にある。心が浄化されるような、優しく美しい物語。

光星空は、お母さんを生き返らせるために魔法の勉強を頑張る男の子。
ですが空が暮らすのは、魔法の国ではなく現代日本。「魔法の勉強をしているなんて変だ」とクラスメイトにからかわれ、先生にも気持ちをわかってもらえず悶々とした日々を送っていました。
そんなある日、空は星降堂というお店と本物の魔女に出会い、お店ごと異世界に転移!
元の世界に帰るために魔女の弟子となり、様々なお客さんたちと出会います……。


異世界で出会うお客さんたちは皆、個性豊か。そして、それぞれが葛藤を抱えています。
連作短編形式で語られる物語は異世界での出来事ではありますが、人(じゃないことも)の悩みはどの世界でも共通です。
魅力的なキャラクターたちの物語を見守れば、現代社会を生きる読者の心にも深く刺さるものがあるはずです。

また、少しずつ成長していく空君の姿も頼もしいですよ!

物語を通じて小学生空君の一人称で進む本作は、物語の内容もさることながら、語り口もどこか優しく、しっとりと胸に響きます。

読み終えた時、なんだか心が浄化されたような気持ちになる。そんな素敵な物語。
大人にも子どもにも、幅広い方々におすすめします!

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