その愛の重さが故に

  • ★★★ Excellent!!!

母が亡くなったあと、酒代と引き換えに由緒ある紫園家当主の妾として売られた『かさね』。
良い扱いは受けないと覚悟していくも、かさねは胡蝶様と呼ばれて丁重に扱われる。

一番かさねを疎ましく思っていると考えていた正妻である燁子からは可愛がられ、更には当主である鷹臣からは一心の慈しみを受ける。

そんな幸せにも似た時間がゆるりと流れていくが……

この物語の特徴は、かさねを中心とした様々な愛の形だろうか。特に、鷹臣がかさねへと向ける眼差し、肌に触れる描写など、色濃く映る描写が兎に角鮮明に……その想いの強さを述べている。
その他のキャラクターが見せる愛情もまた、色々な感情がひしめき合ってストーリーを盛り上げているため必見です。

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