これは作者様の声楽家としてのスーパーセンスが生きている奇跡のような小説

すでに何人もの方が絶賛されている素晴らしい作品なので、私ごときが、とは思うのですが、どうしても言いたいことが一つだけあります
それは大舞台で歌を歌った人間にしか掴めない音楽のリアリティが、この作品にはあるということです

この運命の二人がデュエットするシーンがあるのですが、削ぎ落としたシンプルかつ的確な表現で、音楽が軽やかに人間の精神と肉体を超越させて二つの魂を結び合わせていく瞬間が描かれていて、驚嘆すると同時にとても感動しました

文字でここまでの表現は、たとえ一流のプロのオペラ歌手だったとしても難しいと思います

一方、音の出せない小説表現で、音楽を表現することはプロの小説家でも成功している人を数えるほどしか見ません
そこに果敢にチャレンジしていき、さらに毎回グレードアップしていく、この作者様の煌めくような才能に惚れ込みつつ、今後も熱いエールを送り続けたいと思います

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