圧倒的な絶望の中で、歌声よ響け

重厚と言えば良いのでしょうか。
まるで、パイプオルガンが響くような。圧倒されそうなほど、ヒロイン達が不利な状況が続きます。

18世紀のイタリアを舞台に
(これも今作品の特筆すべきところで、ナーロッパなんて揶揄されがちなライトノベル・ファンタジーにおいて、史実をベースに描くからこその説得力を感じるんですよね)
悪魔狩りをベースに。

作者様が得意とする、オペラの世界。
特に18世紀のイタリアは、後期バロック。これより少し前にオペラが生まれるという下地ができていた時代。

もし間違っていたら、ごめんなさい💦

音楽は宗教にも政治も利用(そもそも、そこがベースとも言える)され、大人の思惑がこれでもかと、渦巻く。まさに華やかな暗黒時代。

このなかで、どう悪魔を浄化していくのか。
信じ合うヒロイン達の関係にも注目だし、
何より、この絶望的な状況のなかで、まったく折れないヒロインの心根。

テンプレで安定感のある。でも量産されたポップなラノベに少し食傷気味な、そこのあなた。

クラシカルで、ロジカル。だけれど、重厚で熱いこの物語。
オペラグラスで、覗いてみませんか?

この作者様は、ハッピーエンディングを保証してくれます。
さぁ、一緒にラストはスタンディングオベーションしましょう!

今読まなきゃ、もったいない!

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