天使の歌声には、少年たちの悲劇が隠されている

皆様は、「カストラート」という言葉をご存知でしょうか?
ご存知ない方は、ぜひこの作品を読んで、知ってほしいです。

美しく荘厳なオペラの舞台から始まる本作は、カストラートになった少年と、姿を偽って彼をそばで支え続ける少女の物語です。
史実をベースに、悪魔祓いなどのファンタジー要素も!
作者様のイタリアやオペラへの深い造詣と、安定の描写力、筆力に裏打ちされた作品。

綾森先生の作品はどれも素晴らしくて、「読ませる」力がすごくあるなぁと尊敬しているのですが、個人的には今まで以上に、ものすごく心を揺さぶる作品になっていると感じます。
どうにもならない悲劇が襲ってきても、プロローグでそれをすでに乗り越え、成長している二人が描かれているから、安心して読めるのかもしれません。
件の悲劇は……、もう、胸がギュッと締め付けられるのですが、それ以上に、輝かしいほどの純粋な愛がこの作品にはあります。

ヒロインが明るく活発な子なので、今後、悲しみを吹き飛ばして、バッチリ活躍してくれることでしょう(๑>◡<๑)

とにかく、幸せになってほしい。
ただそれだけを祈ります!

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