18世紀イタリア・華麗なるオペラの世界―歴史ファンタジーの大傑作!!!
- ★★★ Excellent!!!
イタリアへの音楽留学経験をおもちの作者様ならではの、ドキドキするようなリアリティと臨場感が散りばめられた、歴史ファンタジー!
まずはプロローグを読んでみてください。
この臨場感! この華やかさ!
圧倒的なプロローグです。この一話だけでも、この物語がどれだけのポテンシャルを秘めているか、たちまち伝わるでしょう。心ゆさぶられることでしょう。
特に注目は、歌唱シーン! この作品には歌のシーンがたくさん出てきますが、毎回毎回創意工夫が凝らされていて、新鮮で、単調にならず、読んでいてほんとうに圧倒されます。オリヴィアとリオ、さらには他の歌い手たちの声が、すぐ間近に、耳に聞こえてくるようで……いったいどうして、こんなにリアルに音楽を文章化できるのか!? すごい! これぞまさに、綾森先生マジックです!
▼舞台は、18世紀のイタリア。
少女オリヴィアと、少年リオは、寒村で出逢う。
『カストラート』という、男子を去勢して美声を保つという、恐ろしい慣習――。
そんな時代の社会矛盾のなかに、ふたりは巻き込まれてゆく。
幼かったふたりの心は、やがて切ない恋心へと発展していき……
ふたりは村を出て、音楽の都・ナポリへ!
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悪魔退治のファンタジー要素も入っていて、リアルとファンタジーが調和したストーリーが、すごく面白かったです。
……と思えば、当時の社会矛盾の仕組みが、しっかりと描かれている部分もあって、歴史物としても読み応えがありました。
オリヴィアとリオが音楽学校に入ってからの、学園生活の空気感も素敵です!