画家が死んだ。その葬儀からはじまるこの物語は、創作と搾取、そしてその果てに待つものを描いている。自分も創作に手を染めた末端であるが故に、何かを書く時、表現する時には、いつもこの罪を犯していないか、いつか罪になるのではないかと、そう考えずにはいられない。さあ、画家は何に報復されたのか。彼は搾取したのか。それとも搾取されたのか。紫煙のむこうにあなたが見るものは何か、どうぞご確認あれ。
芸術とは、なんだろうか。作る人間によっても違う、見る人間によっても違う。それはまさに刻一刻と姿を変える、煙のようなものであろうか。葬儀とは、煙の立ち上るものであるように思う。そんな中で、紫煙が立ち上る。果たして故人の芸術とは、芸術に昇華するとはなにか、考えてしまうのである。自己を完全に昇華できたときにこそ、芸術というものは完成するのかもしれないと、ふとそんなことを思ったものでした。あなたはこの煙に、何を見ますか。ぜひご一読ください。
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