第22話悪役としての矜持
ー前回のあらすじー
元気いっぱいの中二病、朝貝栄一はレオ達を探していたところ、レオ達をワイバーンに襲わせた実行犯である魔族の男<ブレイン>と出会う。そこで、ブレインをボコボコにし、尋問した後、始末するのだった....。
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(side.レオ達)
「なんとか倒すことができたね.....。」
息も絶え絶えにしながらレオは、横でアレクの看病をしているエマに話しかける。
アレクはどうやら魔力切れを起こしてしまったようだ。
「そうね....。これもレオ君とアレクのおかげだわ。ありがとうね......。」
レオが「こっちこそ。」と言うとエマは安堵したような表情を浮かべ、一転して表情を険しいものに変える。
(なんでこんなところにワイバーンがいたんだろう.....?)
アレクと同じような疑問をエマも抱えていた。
ワイバーンがこんな洞窟の中にいるはずがない、ましてやゴブリン討伐の依頼で向かった場所にいるなど論外だろう。
(確実に私達を嵌めた黒幕がいる。)
そう直感が訴えていた。
もしそうだとしたら最悪だ。相手はギルドに常時潜入することができ、依頼書を偽造することができるほどの人物ということになってしまう。
(これはギルドに報告しないと行けないわね....!)
ギルドに裏切り者がいるなんて信じてもらえないかもしれない、その場合は自分自身で調査しよう。エマはそう決心する。
「それじゃあ、ギルドに戻りましょうか!」
今後の方針を決め、ギルドに戻ろうと立ち上がった瞬間.........
「おやぁ?もうやられてしまったのか。存外、Sランクでも脆いもんだね。」
聞き慣れない男の声が洞窟内に響いた。
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(side.栄一)
「誰よ!あなた!」
「ん?ああ、私はエリクスといってね、錬金術師をしているよ。」
エマが真っ黒な服の俺に聞いてきたので律儀に答えた。
それにしても、
(スゲエな!ワイバーン倒したんか!)
いやぁ~、ワイバーンに襲われたって聞いたもんだから、もしかしたら死んじゃっているかもって思ってたんだけど..........。
まさか倒しちまうとは!流石は未来の勇者ですな!!
「ワイバーンに私達を襲わせたのはあなたね!!」
レオ君達が成長したことに感動していると、エマさんが問いただしてきた。
ん〜、普通は魔族がやったって言ったほうがいいんだろうけど、せっかくの悪役ムーブができるチャンスだ。ここはとことんやらせてもらおう。
そう決心し、ねばっこい笑みを浮かべ挑発する。
「ワイバーンとの戦いは、楽しかったかね?」
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*あとがき*
読んでくださりありがとうございます!
「面白いッ!」「悪役ムーーーーーブ!」「先が気になる!」と感じた方はぜひレビューをください、励みになります!
少し遅れましたが、メリークリスマス!
設定18ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ずっと説明していませんでしたが、闇錬金術師とは非道な人体実験などを行う錬金術師のことを指します。
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