概要
引退を間近にした騎手と名馬。それぞれの行く先は
・柴田恭太朗様主催の自主企画【三題噺 #40】「観光」「パイロット」「衝動」
・スティリア様の自主企画Write or Read! お題で短編書いたら、激辛口で批評するよ。
(お題は②THE・抽象!)
に参加するために書きました。
2月、帯広競馬場。
自身の進退に悩む騎手の稲垣健三は、かつてのライバル馬アアモンドパイロットについて思いを馳せる。
・スティリア様の自主企画Write or Read! お題で短編書いたら、激辛口で批評するよ。
(お題は②THE・抽象!)
に参加するために書きました。
2月、帯広競馬場。
自身の進退に悩む騎手の稲垣健三は、かつてのライバル馬アアモンドパイロットについて思いを馳せる。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!人と馬、共に老いて
冬の帯広、ばんえい競馬場が舞台です。
引退間近の老旗手と、かつて彼の前に幾度となく立ち塞がったライバル馬、アアモンドパイロット。
不敗の栄光を誇ったその憎き相手も、老いには勝てず、次のレースを最後に引退させられることになっていた……。
ばんえい競馬のことは何も知りません。
それでも、読み始めてすぐに、全ての空気を感じ取ることができました。
馬たちの身体から立ち昇る湯気が見えるかのよう。
文章の一つ一つまでよく練られた、素晴らしい短編です。
老いるとは何か。引退とは何か。老境に達した人と馬との心情の重なりが、読み手に深い感慨を与えます。
あっという間に読めますので、ぜひ読んでみてくださ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!雪原の虫けら
一切の無駄のない、しかし重みのある描写。
率直に云って、この方はプロの仕事をしておられると想う。
こんなすごい方でもほとんど読者のいないまま埋没しているのが遣る瀬無い。
だからだろう、この小説を、わたしはわたしを含む、カクヨムの底辺に沈んでいる無名の人々のことを重ね合わせて読んだのだ。
勝利への飢餓感。競うからには馬を勝たせたい。
身体が故障してもまだ競技を続けたい。
この二つの車輪でひたむきに馬を走らせてきた引退間近の競馬騎手が主人公だ。
帯広ばんえい競馬場。どさんこ弁が味を添えている。
長年その背中を見てきた小面憎いライバル馬にも、衰える時はついに来る。
主人…続きを読む