細やかな描写が胸に迫る、ヴィクトリア朝イギリスの女性の生き様

主人公のロビンは誇りを守り、自立して生きたいと願う女性。
しかし、物語の舞台となっているヴィクトリア朝イギリスにはその方法は家庭教師しかなく、ロンドンには家庭教師は溢れている――。

ままならぬ状況、誇りを傷つけられた過去、かたくなになった心、それでも生きなければと顔を上げようとする主人公。
そんな彼女に、突然「家庭教師になってほしい」と声をかけたのは、イングリス准男爵。
しかし、屋敷には子どもはおらず、イングリスの真意は不明。なぜロビンは雇われたのか……。

時代の価値観を織り込んだ主人公の心理描写は胸に迫り、また、丁寧な風景描写はヨークシャーのマナーハウスへと読む者を誘います。

レビューを書いている時点の最新11話では、ある出来事により、ロビンに変化が訪れます。
物語はまだ序盤ですが、これから描かれるであろうさらなるロビンの変化、紡がれる物語に期待は高まるばかり。続きが楽しみな作品です。

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