変態怪獣ゴーランド

 連日飽きもせずに報道される性犯罪にはもう、うんざりしています。
 男性の、こういうことにかける労力と執念はすごいなって、常日頃から怖ろしくも滑稽に、そして嫌悪感と共に顔をそむけて女性陣はどん引きしているのでありますが、それでも君たちは次から次へと可愛い女の子がやって来るメリーゴーランドを見詰め続けるわけです。
 メリーゴーランドといえば、柏木ハルコの『花園メリーゴーランド』です。
 関係ないですか? そうですか。

 可愛いメリーを、怪獣ゴーランドが追いかけまわす。
 その一方で、か弱い女の子を他の男が傷つけるとなった時には立ち上がり、拳で阻止しようとするのも男性の本性です。

 パーテルノステル(循環式エレベーター)と洒落のめしていても、つまりは変態の館。
 覗き部屋に足繁く通う主人公をさらに覗いているような、そんな寒い気持ちで読んでいたのですが、よせばいいのに男気を出す主人公が気になってはらはらしながら読み切ってしまいました。
 騙されませんよ。
 こんなものではないでしょう。
 カクヨムでは一応レイティングがありますが、主戦場を他所に移せば、文学性とエロスを両立させた、さらに高レベルの作品を書き切れる方だとお見受けします。
 川端康成「眠れる美女」を読んだ時のような、ぞわぞわする読後感。
 次回はぜひ、青髭を主人公に。

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