つま先立ち

深川我無先生の「つま先立ち」は、短いながらも心に深く響く作品です。

夫婦の愛と絆が、リアルで切ない描写で描かれており、読者の心を温かく包み込みます。
特に夫が妻の失敗を予測して先回りする姿には、深い愛情と優しさが感じられ、感動しました。

日常の中にある小さな幸せや愛の形を再認識したい方、感動的な物語が好きな方に特にオススメです。また、夫婦の絆や愛情に興味がある方にもぴったりです📖✨。

　世の中には自分のことを完全無欠だと考えている人たちが一定数いて、他人を無遠慮に指導したがる。
　自信満々な彼らは彼らが自慢するところの、つるりとした何の凹凸もない精神のことを、完璧で、完成体なのだと信じている。

　傷やへこみや、歪つさを持ち、邪魔っけな枝葉を伸ばして生きる人々は、不合理で、せせら笑っても構わぬ愚の骨頂。
　あんな莫迦どもに比べて、何一つ何も心に引っかからぬ我々こそ全てにおいて優秀だと嘲り嗤ってほくそ笑む。

「愚かなお前も早く『気づき』を得て、こっちの世界に上がってこいよ」

　他人を踏み台にして偉そうに振舞うだけで満たされる白黒世界。

　あれもこれも出来ぬ女を愛した男…続きを読む

僅かな文字数の中に、長年連れ添った夫婦の人生と想いが凝縮されています。
じんと染み入る素敵な愛の物語です！

「つま先」というお題からここまで展開できるとはさすがプロ。
選び抜かれた言葉と表現も秀逸です。

このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む（42文字）