第4話:1年A組
僕達、新入生は入学式が終わった後、退場し教室へと向かった。
「おっす、八王子。俺は、
同じ一年A組になるんだ、よろしくな。」
教室へ向かう静かな廊下を歩く中、急に話しかけてきた。黒髪に茶色の瞳をし、爽や
かな雰囲気を持っているのに、何故かチャラく感じてしまう。
「ああ、うん。よろしくね。」
そう返すのが精一杯なほどに驚いている僕をよそに、榊は教室に着くまで話しかけて
きた。
今までざわざわと喋って歩いてた新入生を一言も注意しなかった教師が、立ち止まっ
た。見上げるとプレートには一年A組と書かれており、着いたのだと分かった。それ
ぞれが黒板を見て席へついた後に教師が教台へ体を預けながら話す。茶髪に黄色の瞳
を持ち、華やかな服を着ている姿はまるで、ホストのようだ。
「俺がこのクラスを担当する、
担任なんて持つ気はなかったが逃げられなかった、面倒事が嫌いだ。
担当科目は国語。今から、やることを説明するぞ。自己紹介、係決めをした後、配布
物を配って、提出物を出す、以上だ。俺は一切、動かないから、お前らだけで
やってけ。俺は、配布物を持ってくるからな。」
そう言って、教室を後にしていく。途端に教室が静まり返り、全員が様子を伺ってい
る。そんな中、僕に視線が集中する。ため息をつきたくなったが、笑顔で堪えて、
立ち上がり、手を叩いて注目を集める。
_パン、パンッ
「見つめあっていても仕方ないし、自己紹介を始めよう。そうだな、せっかくだから
僕から言わせてもらおうかな。名前は、八王子 圭。みんなと仲良くなれたら嬉し
い。1年間よろしくね。次は、廊下側の前の席から順に紹介していってくれるか
な?」
すると
「えっと、私の名前は、
趣味は、読書と料理です。よろしくお願いします。」
彼女が自己紹介した途端、教室中の男子がこぞって視線を向けた。その理由は簡単で
黒い髪に桃色の瞳を持ち、庇護欲が唆られる姿をしていたからだ。その後の人は少し
やりにくそうに終わっていった。
「俺の名前は、榊 陽翔。好きなことは、体を動かすこと。よろしくな。」
…
「僕の名前は、
そう自己紹介したのは、僕の幼馴染だった。黒い髪に黒の瞳を持ち、メガネを掛け、
クールな印象を持っている。榊と湊にはこぞって女子の視線が集まっていた。
自己紹介が20分ほどかけて終わると、次は係決めになった。
「うん、じゃあ、まずは、クラス委員長だけど立候補から募って決めようか。」
やりたい人を聞くと、手が丁度2人上がった。
「湊と朝日向さんだね。反対の人はいる?」
反対の人は特にいなかったので、二人に決まった。
「湊、後は頼んでいいかい?」
「わかりました。では、黒板に委員会名が書いてあるので、やりたいものの横に名前
を書いていってもらってもいいですか。まずは、廊下側から。基本的には決める手段
など、全て話し合いでそれぞれで決めてください。」
僕は、委員会決めの途中に戻ってきた筒香先生に、新入生代表挨拶を務めたものが
代々、生徒会書記になると言われた。拒否権はないらしい。
そして、全てのタスクが終わり、挨拶をして帰ることになった。
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