嘲笑うのは人か、己自身か

月へ届く塔を築くため、駆り出された男の視点から描かれた物語。

最後の、月人の姫の哄笑がひどく印象的です。

それは下界の王たちを嗤ったのか、それともそんな愚行に付き合わされている自分自身を嘲笑ったのか。

塔建設のどうしようもない理由を語り、笑う姫をおいて男は塔を降ります。
それは男が幻滅したからもしれませんが、一方で、こんな愚行にお前まで付き合う必要はないと、姫が男に伝えたいが故だったかもしれません。

尾を引く、色々と考えてしまう物語でした。

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