職業殺し屋の綴るハードボイルドな紀行文

カクヨムの中でもこのタイプの小説はかなりレアだと思います。

世界から依頼を受ける凄腕の(特殊能力のある)殺し屋。
殺し屋が登場する小説は、それなりに多くあると思いますが、小説の主旨は『世界の車窓から』とあるように、紀行文なのです。

それも、トルコ、ブラジル、チェコ、マレーシアなど、国名は知っているけど、行ったことのある人は多くはないだろうという国の、絶品グルメを食レポのように綴っていく。

しかも、アングラな職業の性質上、非常に硬派で、漢字の使い方1つで、ぐっと引き締まったハードボイルドな紀行文なのです。

作者様は、各国のグルメのみならず人々の文化や生活習慣をかなり緻密に調べておられ、ここまで仔細に、そして読者にイメージを細部まで膨らまさせることのできる『旅日記』はカクヨム作品多しと言っても、ほとんどないのでしょうか?

殺し屋と世界の紀行文。アングラなのに腹が鳴る。
この異色の取り合わせは、読者にさらなるスパイスを与えることでしょう☆

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