サンタの正体をあばいてはならない
ウツロ
第1話
「サンタクロースってパパなの?」
ついに来てしまった。禁断の質問が。
小学校高学年となった娘も、そろそろ疑問に持つだろうと思っていた。
インターネット、テレビや学校の友達、真実に触れる機会はたくさんある。
いずれサンタクロースはいないのかと、問われる日が来ると思っていた。
「なんでそう思ったの?」
優しく聞き返す。
真実を話すのはまだ早い。ちゃんと確認してからでも遅くはない。
真実はいつだって残酷だ。
それを受け止められる準備ができているか、見極めなきゃならない。
「だって、パパに欲しいって話したゲームをサンタさんがプレゼントしてくれたから」
そうか、それでバレちゃったか。賢くなったな。娘よ。
これなら、どんな真実だって受け止められるかもしれない。
「いいかい? 〇〇ちゃん。今は三人からプレゼントもらっているだろう? パパ、ママ、サンタさん。パパがサンタなら、来年からプレゼント二個になっちゃうよ?」
それを聞いた娘は、しばらく考えると――
「うん、やっぱりサンタさんはパパじゃなかった!」
たくましく育ってくれて何よりだ。
サンタの正体をあばいてはならない ウツロ @jantar
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ネクスト掲載小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます