まるでかわいい人形劇のよう!

舞台は終末世界。人の滅んだ江戸の町。
衝撃的な始まりですが、そこでは、妖怪たちが、おだやかに暮らしています。

ある日。付喪神のスズメは、同居人(付喪神ですが)のヨイチと一緒に、人を探す旅に出かける約束をします。

ところが、出発の日。ヨイチはただの人形に戻ってしまったのです。

傍にいるのが当たり前だった存在のヨイチが、付喪神でなくなってしまう。
人間ならば感じる「さみしさ」を、付喪神のスズメにはちょっとわかりません。
でも、できることがあるならしたい。だから、スズメは旅立ちます。


まるで、かわいらしい人形劇をみている気分で、わくわくしながら読みました。
勝気なスズメちゃんもかわいいです。旅の相棒となる、ちょっとめんどくさいコショも、またかわいい!

物語に漂うほんのりとした寂しさが、ちょっとスパイスのように効いているのも好きです。

まだ旅は始まったばかりです。これからも、わくわくしながら読み続けたいと思います。

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