むかし むかし
かつて、年の数えにおいて西暦が基準だったころ。
この星の上空に人類が浮かべていた人工衛星が、宇宙ステーションや通信衛星を含め全て一斉にロストした。
磁気嵐などによる一時的なダウンではない、全ての衛星が一時に破壊されたのだ。
当時の人類は混乱を極めた。某国家や武装勢力によるテロ疑惑や宇宙人による侵略など陰謀論が世界を染め上げた。
しかし、三日の後人類は知った。
羽箒で撫でるように、一息に人工衛星を破壊しつくしたものは、この星に迫っていたものの破片に過ぎなかったのだと。
最初に気づいたのはどこの国だったか記録はない。
空が薄暗くなり、雨のように石くれが降ってきたのだ。と生き残りが残しただけだ。
7日間で、あまりに呆気なく世界は滅んだ。
8割強の人類を含む陸生哺乳類が死滅した。
生き残ったごくわずかな人類は、新たな集合体を形成し、争いながら再び国家を再構成していった。
今も月に残る傷の意味を、この国だけは知っている。
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