図書館はどこですか? 拘置所の中を探したのに、まだまだ探す気ですか?

書き出しが興味を惹かれた。面白い。

拘置所を設計した老人が「こちらから外界に干渉することは出来ませんが、あちら側から干渉することは原理的に可能です」といっているので、冷蔵庫の食材や、健康で文化的な最低限度の生活ができる設備維持も、外界から得ていると考えられる。
時間の流れが現実と異なる四次元であっても、外から物資が入らなければいずれ枯渇すると想像する。

四次元を拡散させたことで時間の流れが一定ではなくなり、局地的限定的な場所では通常とは違う流れ、過去にいけたりする。だから左遷された特別尋問官は、過去に行っては主人公にコンニャク爆弾の罪で罰した。

気になったのは、「議事堂にコンニャク爆弾を投げ込んだという疑い」について。
「お前が投げ込んだかどうかは大した問題ではない。誰かが投げ込んだのは確かなのだから、それがお前であっていけない理由はないではないか。第一、不発に終わっているのだから、大した罪ではない」と特別尋問官は語っている。
未来でしでかした主人公を罰するためには、理由がいる。
でも、過去の時代の拘置所は破壊されていないので、別な理由が必要だった。

理由が必要な人は一人しかいない。
議事堂に爆弾を投げ込んだのは特別尋問官だったのだ。
だから、調書にはコンニャク爆弾の製造法が詳しく書かれてあったのだろう。

整合性をうまく考えて作られているところが、面白かった。

主人公より体格が三倍もある刑務官は、どんな感じだったのかしらん。
体重が3倍の、180キロくらいだったのかもしれない。

拘置所が壊れたあと、主人公は街路へ足を進めている。
別の拘置所へ入れず、無罪放免みたいに外へ出てよかったのかしらん。
そもそも、議事堂に爆弾を投げ込んだ罪で死刑確定者として入れられていたのだから。
それとも、四次元拘置所が一般社会にまで広がってしまったので、拘置所の定義が変わってしまったのかもしれない。

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