一人が世界を救うなんて無理だ。

この世界は、多くの人がいて成り立っているから。


 魔王を倒した勇者レイヴンは、同時に世界の核である『キーストーン』を破壊し、世界を混沌の渦に落とした。
 そして現在。勇者レイヴンは、シュカという少年に生まれ変わり、白鷹のキースとともに、魔竜を倒していた。

シュカが出会うのは、かつて勇者の仲間であった
『蒼海の剣聖』ヨルゲン。
かつては『風の巫女』だった、『精霊王』ウルヒ。
そして、元魔王の『ジャムゥ・クータスタ』。
七色の魔竜巡礼が始まる時、世界は終末へ向かっていた。

力を持つ強者によって、翻弄される弱者。
多数のために、生贄として捧げられる一人の人間。
人間の罪と希望を押し付けられるもの。
自分の望みのために、嘘をついて縛り付けるもの。自らの欲のために、全てを食らう化け物。全てを奪われ、ヤケになってしまったもの。
全ての永遠のために、全てを欺き、全てを終わらせるもの。
それぞれが背負う使命や運命に、誰も彼も、手を汚さずにはいられないけれど。
それでも身近な人を助けたいと願う彼らの空には、七色の虹と、白鷹が羽ばたいている。

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