剣と魔法、精霊と竜。私たちがずっと大好きな世界が、ここにあります。

魔王討伐後に世界の核であるキーストーン破壊したのは、救世主であるはずの勇者だった――。
勇者と魔王がいなくなった世界は魔物や竜が蔓延り、再び混迷の時代へと突入する。
そんな中、白鷹のキースを連れた謎の少年シュカがグレーン王国へやって来た。王都の謁見で荒れ狂う雷竜の討伐を申し出るのだが、彼の正体は、実は……。


王道RPGと言われて思い浮かぶものって、たくさんあると思います。そしてそのどれもが仲間と出会い、冒険して、悪を倒して、世界を救う。旅の道中で様々な困難を乗り越えて絆を深めるキャラクターたちに感情移入して、ワクワクしたことでしょう。エンドロールが流れる達成感と同時に、終わってしまう寂しさを感じたことでしょう。こちらの作品を読了した後も、同じ気持ちでした。

剣と魔法、精霊と竜。あの頃の私たちがわくわくわしたファンタジーの世界は、たくさんの新しい要素を取り込んで今も多くの人を楽しませています。転生してもいい。チーレムしてもいい。ステータスオープンしたっていい。だって創作は自由なんですから。
でもふと昔を振り返ろうと思った時、シュカのような作品があると、とても嬉しい。古いという意味ではなく、どっしりとした安心感を感じるのです。

それと個人的に、作者様のおっさんの趣味がとてもいいなと思いました(笑)
いぶし銀を求める人にもお勧めしたい、おっさん多めファンタジー。これも貴重な存在……!

何も怖がることなく、誰もが没入できる王道世界観。じっくりと腰を据えて読んでいただきたい一作です。

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