第九部 仕舞
九薬国
大将を失った雲城軍は瞬く間に敗れ去り、捕まった兵は全員斬首となった。
黒波江の軍を率いたのは、須原から嫁いだ王太子妃、桔花である。桔花は須原国を再建し、第二子に治めさせた。
この時代、国々はそれぞれに、勃興、衰退、建国と、侵略、合併と崩壊を繰り返す。須原だけではなく、近隣の黒波江、鋳物師、騰羽、雲城もやがて消え、新しい国が
その中で、永く続いた国がひとつある。
非常に小さな国で、元々は須原国北部の、一つの領地であった。
創始の記録はあまり残っていない。言い伝えによると、須原の時代に一人の老婆が薬師の集団と共にやって来て、貧しい土壌を造り替え、新しい畑を開墾し、薬草園を作ったのが始まりだという。
その後、その老婆の息子が後を継ぎ、国にした。最初の王は人々を三つの集団に分けた。
一つは薬草を育て、薬を作る者。
一つは武術を磨き、人々と土地を守る者。
一つは他国に薬草と薬を売り歩きながら潜入し、知識を持ち帰る者。
小国ながらも武力と財力が高く、駆け引きが上手く、一切の戦に関わらず、不老長寿の薬を以て他国を制したと伝わる。
最初の王の名は記されていない。薬学の知識があり、
次の王については
その子孫からについては、「
――終――
傾国鳥の蹴爪 powy @powy
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