平安の御代のことなど他人事と思ひて読めば身につまされるなり

平安時代の雅な女房の世界などというワタクシにとってはまるっきりの異世界の物語を楽しく楽しもうだなんてお気楽な気持ちで連載を追いかけて来ました。

甘かったです。

面白過ぎます。

ヒロインやその周囲の人々の情けや理不尽に、良くも悪くも心を動かされまくります。

個人的には脇役の一人「伊勢」がヒロイン以上に気になって仕方がありません。頭の回転が速すぎて思考が留まるべきところからどんどん逸脱してしまう伊勢。今でいうADHDでしょうか。そんな自分の心と行動を必死で律して世間と折り合いをつけようとする伊勢が健気でなりません。ワタクシもADHDであろうと確信しているので同類相哀れむという奴でしょう。とても他人事とは思えないのです。

御屋敷の姫様も一見明るい気質にもしっかりと影がありそうですし、いよいよやってくる人公にとっての幼馴染兼ラスボスともいえる因縁の相手祥姫は大きな闇を抱えていそうです。

二人の姫の心の奥にあるものがなんであるのか、ワタクシは懼れつつも興味津々でそれが明らかにされるのを待っております。

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