エゲツナイ勝負の世界と、タイトルに隠されたアナグラムに注目!
- ★★★ Excellent!!!
青山 翠雲さまの第4作。
本作の大人のひとりは勝負に勝つため手段を選ばないエゲツナイ攻撃を相手の少年に仕掛けます。そう言った点では少年マンガ『グラップラー刃牙』で主人公の刃牙を倒すために人間力の達人・プロレスラー猪狩寛至が仕掛けたえぐい手段を思い起こさせます。
今までの3作品はシリアスな勝負のなかにもクスリとするユーモアが顔を出してました。本作はシリアスな勝負を押し倒す勢いで、ユーモアなんて生易しい言葉で済まないような特濃のスラップスティックが繰り広げられる奇想天外な作品です。将棋小説の可能性を大いに広げてしまったと、ええ、広げてしまったといえるでしょう。
ここまで書けるのであれば、青山さまはSFでもハードボイルドでもどんなジャンルでも書けますね。
最後に『量子と精神』というタイトルですが、この読みを平仮名にした(りょうしとせいしん)が実はアナグラムで(りょうしんとせいし)、即ち『良心と精〇』という意味が隠されているとワタクシは思うのですが、あっていますよね?