ある愚者が始皇帝の時代から未来まで生き続ける『火の鳥』の如き壮大な物語
- ★★★ Excellent!!!
主人公愚楽の突き抜けた愚行が一周回って賢者となる『イワンのばか』にも似たこの物語が好きだ。ロシアの文豪トルストイに寄せてきている気がする。実に興味深い。
不老不死となった彼は永劫に思える時間をごくシンプルな行動原理の愚者として生き続けて、始皇帝、玄奘三蔵、チンギス・ハン、ルイ14世、チャーリー・チャップリンやそれぞれの時代それぞれの土地の市井の人々との出会いと別れを繰り返し、ついにはAIが地球全てを管理する未来都市の時代にまでたどり着く。
手塚治虫の「火の鳥」にも似た壮大なスケールの物語。