概要
クズ対クズ
元ボクサーのヤクザと元プロレスラーの無職、ろくでなしどもがルール無用の地下格闘技場で因縁の決着を付ける。自主企画【ぶっちぎりの最強VS最強】に寄せました。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!現代の『敗れざる者』
地下格闘技が舞台の小説である。
殴ってよし蹴ってよし絞めてよし、とほぼノールールなのは古代のパンクラチオンに似ている。
が目つぶしや噛みつきまで許されているのは過激だ。
自分はボクシングが好きで、また以前古代ギリシャのパンクラチオンを素材にした小説を書いていたので、興味を持って本作を読んだ。
読んでいろいろ身につまされた。
主人公の小笠原は元ボクサーの現ヤクザで、現役時代パンチを受けて左目の視力が悪い。
自分も五歳のとき事故で左目を失明しているから、体に欠損を抱えた人間が自分の体を大切にいたわれなくなる感覚がよくわかる。
自分が自分の身体を虐待するような生き方を抜け出せたのは京極夏彦がい…続きを読む