王冠の棘

コンスタンティン・カンタクジノは第二次世界大戦中、ルーマニア王国空軍トップスコアのエースパイロットとしてその名を馳せた。彼はまた広大な土地と財産を有しビザンツ皇帝の末裔を称する公爵家の当主であり、終戦までは多くの者が彼に称賛の言葉を浴びせた。

しかし最早、彼はそれらのほぼ全てを失い、異国で細々と生きるほかなかった。それでも栄光の思い出だけは残っている。……果たして、思い出にあるのは栄光だけだろうか？

（実は主人公が拙作「インタビュー・ウィズ・ザ・カウント」に登場する「女優」の元夫の「公爵」だったりします。　https://kakuyomu.jp/works/16817330647799095683）

（本作は2016年6月16日に開催されたイベント「第三回静岡文学マルシェ」等で配布して…続きを読む