星を見た少女
シューマ555
第1話 その目に写った星
星々が美しく、そして眩しいくらいに輝いていたある日の夜。
ある町で二人の少女が空を見上げていた。
「ねぇ、ほんとうに引っ越すの?」
黒く美しく髪の少女は不安げに聞いた。
「うん。本当だよ」
明るい茶髪の少女はそう静かに答えた。
「そう...。」
黒髪の少女は寂しそうに顔を下に向けた。
茶髪の少女は夜空を見上げたまま何も言わなかった。
「怖くないの?」
黒髪の少女が再び質問した。
「怖くはないよ。でも...」
「でも?」
「すごくさびしい。この町でこんな風にあなたと話すのも、遊ぶのも、もう、できないと思うと、とても寂しいの」
何かをこらえるように。上を見きながら答える少女が、黒髪の少女には夜空に輝く星よりも儚く、美しく写った。
それから二人は何も話すこと無く、ただ星を眺めて過ごした。
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