第5話 思い出はここに

どんなにねだっても呼んでくれなかったひーちゃん呼びをしてくれた日。夏休みからずっと考えて、悩んで、私が勇気を出して引っ越しを伝えた日。


れいちゃんが私に約束を『くれた』日。


多分私はこの日を忘れることはないだろう。




「れいちゃんは寂しい?」


いまは一通り泣き終わって、れいちゃんにバックハグの体制でれいちゃんのベッドの上に腰掛けている。

れいちゃんの身長が高くてよかった。まじここ幸せ地帯。


「もちろん。日織「ひーちゃん!」 ひーちゃんがいなかったら私はダメ人間だから。」

「そおぉ?」

「そうだよ、ひーちゃんが引っ張ってくれたからここまで喋れるようになったからね。でも、」

「でも?」

「いつまでもひーちゃんに助けられるわけにはいかないから」

「〜〜っ!かっけえぇ!」

「そう?」


れいちゃんは大人だなぁって改めて思う。きっと私の立場だったとしてもうまいこと受け入れられるんだろうな。


「まぁこれで一生会えないわけじゃない。少しのお別れだね」

「〜〜ッ///!!」


れいちゃんは私のほしい言葉をすぐにくれる。そんな言葉いわれたら期待ちゃうじゃん。


「そ、そうだね。また会えるよね。」

「もちろん、意地でも探し出すよ。それ出会えたらたくさんお話をしよ?」

「うん!!」


私も前を向かなきゃ!



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