第9話 直撃日光
ひーちゃんがいなくなって3年。
気がつけば中学を卒業することになった。
ひーちゃんがいない3年間は正直退屈だったけど、新しい友達も少しできたし、楽しいは楽しかった。
進路を決める時、私は東京の高校に行くことに決めた。
理由はもちろんひーちゃんに会いに行くため、もう我慢の限界だった。
ここには楽しい思い出がいっぱいあるし、東京でやっていけるか分からず、すごく悩んだ。
それでもやっぱりひーちゃんに会いたい。
そう考えたら決心がついた。
両親は私が東京に行くことを説明すると猛反対だった。
お金のこと、高校生1人で東京は危険だと。
正直、分かってはいた。反対されるのは。
でも、両親は私が本気だと感じたのか、徐々に受け入れてくれた。
元々、我が家はお金に余裕があるので少しセキュリティの強いマンションを借りたり、毎日連絡を返すことで了承を得た。
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そして高校の入学式。
なんと、高校に主席で入ることになり田舎者の私が新入生代表の言葉を言うことになった...。ひーちゃんに会いたいからと勉強やりすぎた。
「新入生代表 月木麗華」
「はい」
「暖かな春の日差しがふりそそぐこの良き日に―――」
そうしてなんとか挨拶を終えてクラスに戻りホームルームが始まる。
(早くひーちゃんに会いたいなぁ
東京に来てからこればっかり考えてしまう。でもしょうがない、ひーちゃんに会いに行ける距離まで来たんだから。早く会いに行きたい。
そんなことを考えていると気づけばホームルームが終わっていた。
周りの人たちが帰りの支度をしたり、挨拶をしていたりと賑やかにしていると...
「れーーちゃーーん!!!」
「うぐっ」
教室のドアを壊さんばかりの勢いではじき私に体当りしてくるのはあの頃よりも少しだけ伸びた身長と、きれいでさらさらな髪を伸ばしてあの頃と姿は違うけど、
その声と、元気で見る人を笑顔にする眩しい笑顔はそのままの―――
今一番会いかったひーちゃんだった。
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