第10話 優しくつつむ月光
「いたたっ」
「ご、ごめん!!勢いつけすぎちゃった...」
「だ、ダイジョウブだよ...」
「顔が!顔が怖いよ!れいちゃん!」
思わず再会いできた喜びでれいちゃんをケガさせるところだった、危ない。
「へー、貴女がれいちゃんね話で聞いてた通りイケメンね...。このあとお茶しない?」
突然後ろから中学からの友達のなおちゃんがれいちゃんをナンパし始めた。
「だめ!!」
「?別に私はいいけど、ひーちゃんの友達でしょ。この人」
「そうだけどー!」
「やった!ついでにこのうるさいおちびを置いて二人っきり」「それはちょっと、ごめんなさい」「ちぇー」
れいちゃんはなおちゃんの提案をあっさりと断った。
「私はひーちゃんにあいに東京にきたので」
「////!?」
「ヒュ~」
突然のれいちゃんの告白に心臓が爆発しそうになった。
「これは、私の出番はないかな?」
「?お二人はどういった関係なんですか?」
「中学からの友達よ。この子、しょっちゅうあなたの話するのよ。高校もわざわざあなたに合わせてこの高校に来たし。この子、馬鹿なのにものすごく頑張ってここに来たんだから、あなたから少しご褒美をあげてちょうだい」
私が混乱して言葉を出せないでいるとなおちゃんが次々と私の恥ずかしいことを言う。
「え、ひーちゃん私がこの高校受験するの知っての?」
「う、うん、お母さんから聞いたんだ、でも私馬鹿だから、受かるかわかんなくて、頑張ったけど自身がなくて」「ありがとう!」
私がひとりで暴走していると、れいちゃんが突然ハグをしてくる。
「わたし、ずっと、ずっとひーちゃんに会いたかった。ひーちゃんと再開したときに褒めてもらえるようにがんばって約束守って自分で友達作れるようになったんだよ。ほめて?」
体格差的にれいちゃんの体に埋もれてたのに撫でられやすいようにわざわざ屈んで頭を私の前に突き出してくる。
「///え、偉いね。よしよし///」
「ふふっ」
思わず撫でるとれいちゃんから幸せそうな声が漏れてくる。なにこれかわいい、ずっとなでてたい。
「あのーここ教室なの忘れてない?」
なおちゃんの一言で現実に戻される。けどれいちゃんは変わらず頭をぐりぐりしてくる。
「つ、続きはまた後で、ね?」
「う〜、は〜い」
ものすごく嫌そうにれいちゃんは返事する。
「ねえ、この子いつもこん感じなの?もっとしっかりしてイメージだったんだけど」
なおちゃんが聞いてくる。
「う、ううん全然違う、前まではもっとしっかりしてたしこんあ甘えてきたことだってなかったのに、突然...」
「じゃあ3年間で何かがあったのかな、例えば恋愛、とか?」
恋愛 その単語が出てきただけで少し気分が暗くなる。確かにれいちゃんは きれいだし、かわいいし、優しい。小学生の頃から告白されているのをなんか見てきた。
恋人の一人や二人できて当然だ。
「ひーちゃん?どうしたの。顔怖いよ?」
「ううん、なんでもないよ」
いまは、考えるのはやめよう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます