とにかく読んでください。数ページでトリコになるとても魅力的な作品です。

 不動産の事故物件って聞かれたことはありますよね。
 その賃貸の部屋で過去に事故などあった物件のことです。(ま、いろいろと。世の中にはいろいろありますから)

 しかし、この作品に書かれる事故物件は普通ではありません。
 異能除霊師である無量 弐千佳が扱う物件は、すべて幽霊とか霊がらみの普通では扱えない代物。

 毎回、契約する不動産会社に請われ、彼女は部屋の除霊に向かいます。

 この弐千佳がとても魅力的なんです。
 クールでけっして感情を表に出さない大人の女性で。
 色で表現すれば、まさに黒、ブラック。そういう女性です。

 内容的にはホラー作品ですが、内容に奥行きがあって、単なるホラーとは違います。
 心霊現象に立ち向かう彼女は常に命懸けで、斜に構えているのに、その姿が健気なんです。

 興味がわいてきましたでしょ!


 本作、もうひとつの魅力は、彼女の相棒です。大学生・有瀬 安吾。
 これが、かなりチャラい男で、なにコイツって最初は思ってしまいます。

 彼を色でたとえれば、黒とは真逆の極彩色です。

 チャラい男が苦手な私ですが、読み進めていくうちに、彼のことが好きになっていました。彼の明るさには、実は意味があったのです。その理由は本文のなかで。

 これは「ドライなイケメン女子とワンコ系チャラ男のコンビ(作者談)」の除霊物語です。とてもお勧めです。ぜひ、お読みください。

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