君は確かに、私の光だった。

 事故物件専門の除霊師の女性主人公と、そのアシスタントの大学生のバディもの。しかも、超クールな主人公と超陽気な犬系男子の組み合わせだ。もちろん、ツッコミはいつも主人公の冷静なものとなる。主人公の家系も、大学生の家系も、それなりに除霊業界では名の知れたものだった。
 さて、事故物件も様々な物がある。アパート、マンション、ラブホ、一軒家などなど。その場所によって、霊的な存在の在り方も、除霊の仕方も異なる。それぞれの事故物件にはそれぞれに見合った過去があり、念がある。それらを解き明かしていくことで、除霊の仕方を変える必要もある。この謎解き要素も、本作の魅力の一つだ。単純に除霊して終わりというわけではない、という事だ。
 本作で主人公が繰り返す印象的な言葉がある。業<ごう/カルマ>と生業<ナリワイ/せいぎょう>という言葉だ。業を背負って、生業と成す。主人公の核には、いつもこの言葉があった。

 果たして、主人公の業とは?
 そして主人公の過去が明らかになった時、
 主人公が抱えていた秘密も明らかになる。

 キャラクター同士が、まさに引き立て合っていているが、ただのキャラクター小説ではない。ホラー要素もあり、それと同時に謎解きでもある。
 本当に素晴らしい作品でした。

 是非、是非、御一読下さい。

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