死体が二つ、何ゆえに。
- ★★★ Excellent!!!
海の上に二つの死体が浮かんでいる。
その海は自殺の名所で、この世に絶望した人達が飛び込んでいるのだ。
今宵もまた、死に場所へと向かっていく人物が――
・
ゾッとくるショートショート。
様々な推測をしながら読み進めていくわけですが、キレの良いスライダーのごとく抉ってきます。
「違和感を覚えた時にはもう手遅れ」といった感じが、この物語の特長になっているなと思いました。
不気味な余韻を残しつつ終わる文章は、阿刀田高さんのショートショートを思わせるものでした。