本当に呆気ない。実際こんなものかもしれない。


 霊媒師のミキは実に不本意なタイミングで、男性の霊を見つけてしまう。

 放置すると怨霊と化して周囲に害を為す。さっさと帰りたい気持ちをこらえて対話を試みるも、一向にミキの意向に従わない男性霊。

 挫けずに話していくと、霊なりの事情も見え始め……



 タイトルの付け方と本編へのリンクが絶妙な本作。

 社会人みたいなノリで霊媒師やっているミキと、とりあえず悪い人ではなさそう……な男性の霊との掛け合いも良い。

「ようやくこれから……」と思った時に訪れる呆気ない終わり。これもまた社会生活ではよくあること。

 全体的に大人な除霊劇。ビールが飲めると、より面白く読める作品だと思います。