第2話 蓋の開く時
そこにふと、空から光が差した。
「おや残念。そろそろ時間のようですね」
スーツの男は天を指し示す。赤黒かった空に、一筋の切れ目ができ、そこから光が差しているのだ。
それを見た男女らはそれぞれの荷物を持って切れ目を目指して飛び上がっていく。
今年も地獄の釜の蓋が開く。閻魔大王ですら仕事を休むこの期間は、亡者にとっても、獄卒にとっても貴重な休暇。
だから、獄卒の一人であるスーツの男は現世に向かう亡者らに柔らかく微笑んで挨拶した。
「では皆さん、よい盂蘭盆会を」
〇〇〇
エッセイで裏話を呟いたりしています。
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『永遠と一日だけ』
→https://kakuyomu.jp/works/16817330655235177535/episodes/16817330661789923921
地獄の釜の、蓋が開くまで ただのネコ @zeroyancat
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★38 エッセイ・ノンフィクション 連載中 403話
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