第133話 鹿の霊の話の裏話ー創作論
これから数日は、ご当地怪談自主企画向けに書いた小説の裏話を綴っていきます。
小説本文はこちら
『鹿の霊の話』
https://kakuyomu.jp/works/16817330661714734909
私は実家が奈良……といっても奈良市ではないのですが、それなりになじみがあるわけで。今回の作品も、実体験から膨らませています。
一つは、お化け鹿が突っ込んでくるところ。
冬のある日、バイトに行こうと奈良の街を歩いていたら、追っかけっこしている鹿がこっちに突っ込んできたのですね。向こうが普通に避けてくれたので大丈夫でしたが、あのままぶつかったら大けがだよなぁと。
もう一つはその前に鹿がしつこくサンドイッチを狙ってきていたところ。
妻と一緒に奈良市に行こう、となった時に、母がドングリをくれたのです。
鹿せんべいは食べ飽きてて、イマイチ食いつきが悪い。
人間の食べ物も喜んで食べるけど、鹿の健康にはよろしくない。
ドングリなら、食べ飽きてはいないけど自然でも食べているものだからあげても問題ないし、元手もかかってないからちょうどいいのだと。
実際に行ってあげてみると実に好評。
手に乗せると何頭もやってきて、入れ代わり立ち代わりモグモグしていき、妻もご満悦でした。
が、そのうちの一頭がいつまでもついてきたわけです。確かに、残りは帰りにあげようか、と少量をしまい込んだのですけど、その匂いを追ってるようで。
お前みたいなデカいオスじゃなくて、もうちょっと小さくてかわいい小鹿にあげたいんだってば。
最終的に一部を囮にして残りを小鹿にあげ、もう残ってないぞと空袋を見せると立ち去っていきました。
なお作中でも触れていますが、奈良公園周りの鹿は春日大社の主祭神であるタケミカヅチが白鹿に乗ってきたとの伝承があるので神の使いとして保護されてきた歴史があります。
今でも天然記念物なので故意に傷つけると罰せられるのも事実。そして、農業被害があるので実は地域を外れると駆除対象であることも。
大学の時は××寮では狩猟免許持ってるのがいて、秋になると京都と奈良の境目の京都側で鹿を狩ってるんだ、なんて噂もありました。
今回のお化け鹿もそんな狩られてしまった鹿のイメージです。
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