第134話 夢の跡の話の裏話ー創作論
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『夢の跡の話』
https://kakuyomu.jp/works/16817330661715493215/episodes/16817330661715511905
自分で「舞台を選択する以上はその舞台である意味をつけたい」なんて言ってましたが、この作品が小説として宮城が舞台である意味はほぼありません。
それでも、私がこの作品を書くなら、舞台は宮城しかなかったのです。なぜなら、私がこの潰れた方の会社に勤めていたから。
いえ、死亡事故は起こってないですよ。
でも、夜中に大震災の余震で怖い思いをしたのは事実。
当時の職場は、中身入れて1.5tぐらいになるタンクを動かす作業が多くて。
たまたまタンクにストッパーかけてある状態で地震が来たのですが、揺れてる間ずっと
「もし、ストッパーが外れてタンクがこっちに動いてきたら、確実に死ぬな」
と肝を冷やしていました。
つまり、おばさんに注意した男は私自身のifの姿……(ガクガク)
そのタンクに入っていたのが酢酸エチルというシンナーの一種で、おばさんの嗅いでいた匂いの元です。
バナナやパイナップルなどの実際の植物にも入っているのですが、純粋な酢酸エチルだけの匂いはなんというか、安っぽい駄菓子のフルーツ臭。
なぜか毛虫が集まってきて対処しなきゃいけなかったのも本当の思い出です。
新たに建てた子会社ということで意図的に若い人間を集めていたので、和気あいあいとした楽しい職場でした。私は親会社からの出向だったので、2年ぐらいで親会社に戻ったのですが……。
そのすぐあとに子会社は潰されて、一緒に働いた元同僚たちがみんな失業、という状況になって。自分が何かできるという状態でもないのですが、それでもやはり無力感にさいなまれたのを覚えています。
今となっては皆とっくに転職も済ませ、元同僚同士で結婚したなんてのもいたりして、
もう終わった話でしかないのですが、自分の気持ちの供養として作品化してみました。
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