第132話 奥の手ーガジェット

 古代ペルーでサメをとって暮らしていたと思われる集落の遺跡が発掘されたのですが、お墓の遺骨の約半数に、本人以外の身体の一部が添えられていたのが見つかったそうです。

 ほとんどは手足。遺骨自体も傷が多いので、あの世で無事な手足を使えるように、という心遣いだったのかも?というのが研究者の見解だとか。


 いや心遣いはいいけど、その手足の出どころはどこなのよ、というのが気になりますよね。

 部族の仲間が殉死のように亡くなった英雄のために手足を差し出して、というのはちょっと違う気がする。その場合、手足を捧げた人もいずれ亡くなるので、元々一部の手足が無い遺体がけっこう出てくるはず。

 手足しか回収できなかった仲間の遺体を一緒に埋葬したと考えるには、約半数という割合が高すぎる。

 倒した敵対集落の人から手足を切り取って、というのが妥当なところかなぁと思われます。


 しかし、妥当で終わっては話が膨らまない。

 そこでふと思い出したのが、藤田和日郎の『からくりサーカス』のマリオネット、あるるかんが別のマリオネットの腕を武器として使っていたなと。

 戦う相手にサメが含まれることを考えると、切断された手足を囮兼武器として操る独特の闘法が存在したのだ、なんて設定もありではないでしょうか。

 かなり血なまぐさい感じになってしまうので人を選びそうですが。『からくりサーカス』と違って、生だとなぁ……

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る