第二話
「依頼が、入りんした」
その言葉に···私はげんなりとしていた。
・・・
話を続ける前に、都市伝説調査所について詳しく話しておくべきだろう。
都市伝説調査所···以後調査所と略すが、ここはその名の通り不可思議な都市伝説を調べ、時に解決する小さな、そしていくらか誇り臭い事務所だ。
最初は学校の部活として(恐らく部活動をサボるため)運営されていたらしい。
態度の大きい女性・・・[霧島 のらり]が初めたらしいが、どうにも嘘臭い···。
・・・
話が脱線しそうになったが、その女性、のらりが依頼を持ち込んできたという事に、私はどうにも強い不満を抱いていた、電子レンジくらい重い不満を。
「···のらりさん、その依頼、どうにも信じがたいのだが」「ん?あぁ心配は要らないよ、ちゃんとした依頼だからね」嘘だと思った。
「ちなみにどこからの?」「オカルト部からだ」
どうでもいい豆知識だが、彼女の持ってくる依頼、というのは大体がろくでもないモノだ
「···いいですか、猫又というなの飼い猫探しも、白い亡霊というなの清掃活動も二度と受けないと約束してください」「···キミは、ワタシをどれ程の無能と意識しているのか···大丈夫、今度は本物だ」
今度は?やっぱり本人も少しは意識してるみたいだな
煙管の先をこちらに向けて煙をけしかけるのらりと格闘してるとレンズさんが口を開く。
「···よしっ、調整完了」
どうやらカメラの細かな手入れが終わったようだった
「その依頼って、多分最近流行ってるアレだよね?」「そうだ」
どうやら私と緑さんだけが置いてきぼりのようだった。
「あの、アレというのは···?」聞くのを躊躇っていると緑さんが代わりに聞いてくれた。
「あぁ、ミドリは知らない···のか」そういうと、のらりは頭だけ緑さんに向けると
「最近学校で噂されてる、血濡れ野犬だよ」
都市奇談解決部(仮) 有限放浪者 @gurain5559
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