概要
不可逆の夏に溺れているような線香花火の燃え殻ふたつ
第1回カクヨム短歌・俳句コンテスト短歌の部一首部門応募作。
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!日常に埋もれる思考回路の断片を拾い抜く、浮く。
この短歌集の中で「あ。これ好き」と思わず呟いてしまった歌を上げます。
『新宿の雑踏が好き地面から少し浮いても気付かれないし』
人と違う人。浮かないように気を付けている人。神経質になって、ぎこちなく歩く。行きも帰りも。オンもオフも。
でも都会の雑踏にはいろんな人がいる。自分の『人との違い』なんてどうでもよくなるくらい。そんな新宿の雑踏なら、浮いても大丈夫かなって。少しくらいは。
そんな日常にあるちょっとした気付きと言うか、前向きでもうしろ向きでもない感覚と言うか。埋もれてしまった思考回路をひょいと抜き取ってくれるような歌だと感じました。
なんて素敵な切り取り方だろうと思いました。
「気付か…続きを読む