第6話 お互い様

「………え?」


 影森は処理できなくなる。


「やれやれ、わざと負けられるのは本当に腹立たしいね」


 蓮は怖い笑みを浮かべ影森の目線に合わせる。


「………あ?」


 蓮に目線を合わせられ、無意識に後ろに下がる。


「さあて、どうしてわざと負けたのか教えてくれないかな?」


「………わからないです」


 蓮に目線を合わせて影森は答える。


「わからない?」


 蓮は表情が変わり、真剣に影森を見る。


「………」


 無言で答えず上を向いてゆっくりと一呼吸置き蓮の目線を合わせる。


「答えたくない感じかな」


 蓮は笑顔で影森の目線を見る。


「………無意識に気付いたら呼吸がおかしくなるんです」


 少し間をあけて影森は処理をして答える。


「ふむ、なるほどね」


蓮は影森の答えに納得をして考え始める。


「………」


 蓮が考えている姿を様子を見て影森は答えを待ち始める。


「良し、それじゃあ、もう一度勝負するか影森君」


 笑顔で影森に勝負の提案をし始める。


「………?」


 影森は言ってることに処理出来なくなる。


「何故って感じで無意識的に考えてるね」


 蓮は目線を合わせて話をする。


「………」


 影森はビクっとして少し間を空け頷く。


「なあに理由は簡単だよ」


 蓮は笑顔を向けて影森の目を見る。


「………」


 影森は処理する準備をするため、答えを待ち構えようとする。


「影森君を完膚なきまでにやっつけたいからだよ」


 真剣な目で答える。


「………?」


 蓮の言葉の意味に処理出来なくなる。


「影森君、わざと負けたり、手を抜かれるのが意図的にわかるとね。意外と腹が立つんだよ」


 作り笑いの笑顔で影森を見る。


「………」


 無言で影森は蓮に頭を下げる。


「おや?今さら謝って逃げるつもりなら逃がさないよ」


 蓮は影森に作り笑いの笑顔で詰め寄る。


「………ええと」


 蓮に何かを言いたいのか影森は言い淀む。


「うん、どうしたんだ?」


 不思議そうに影森の目を覗き込む。


「………あなたは1球目、2球目をわざと打たなかったんですか?」


 ピクッと蓮が反応する。


「どうして、そう思うんだい?」


 蓮の表情から笑顔が消える。


「………ふう」


 影森は呼吸を整える。


(さあ、どういう答えが返って来るのやら)


 蓮は真剣な目で見て影森の答えを待つ。


「………1球目、2球目と3球目からのあなたの空気の感覚が違ったからです」


 影森は処理を終えて、目を合わせて答えを返す


「それはどういう意味かな?」


 蓮は笑顔になり影森の目を覗き込む


「………そのままの意味です」


影森は無言で色を失った目で蓮に向けて答える。


「やれやれ、ばればれだったわけだね。影森君」


 影森から目線を外して蓮は話をする。


「………いいえ、最初はわかりませんでした」


 影森は目線を外した蓮に再び目を合わせる。


「ほう、どこでわかったのかな?」


 蓮はワクワクした様子で影森の目を覗き込む。


「………あなたが(自分の負けだね)と言った段階でわざとしたんだと思いました」


 影森は焦点を蓮に定めて答える。


(一瞬、目の色が戻りかけたね。悪くないね)


 蓮は影森の様子を見て笑顔になる。


「………?」


 影森は、蓮が笑顔になり考え始めてるのにどう処理するか構え始める。


「さてさて、お互い様ということで改めて勝負するよ。影森君」


 笑顔で両手で影森の肩を掴む。


「………え?」


 影森は無意識に後ろに引こうとするががっちり蓮に捕まれて逃げられずにいる。


「さあさあ、決着がつくまで無限にやり続けるよ」


 蓮はワクワクした表情で影森に詰め寄る。


「はいはいストップ」


 影森はビクっと無意識に反応する。





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 どうも作者です。


 読んで頂きありがとうございます。


 皆さんのおかげで7月13日にの時点で週間ラブコメ258位の日間134位です。


 本当にありがとうございます嬉涙


 もし良かったらフォローと最新話の応援の下にある星で評価して頂ければ嬉しいです。


 よろしくお願いします。


 アイ「もし評価しないと私が読者様に厄災、絶望、破滅を与えますのでよろしく」


作者「おいwやめろ」


アイ「ああ、作者も毎日更新途切れた時点で厄災、絶望、破滅を即座に与えるからよろしくね♥️」


作者「……はい、がんばります」


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 もし良かったら新作「感情を失った少年と女神。あなたの時間(人生)をいただきます」も連載していますのでよろしくお願いします。リンク↓です。

https://kakuyomu.jp/works/16817330667321843534


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