第20話 女神様と魔王様のプレゼント
アイside
車でアイの家の前に着き、アイは車からおりる。
「アイちゃん、がんばってね」
笑顔で手をふる。
「……」
無言になり、疲れた様子でアイは霊歌に手をふる。
「あ、アイちゃん渡すの忘れてた」
霊歌は車からおりて、何かを持ってきて手渡す。
「アイちゃん、これは何?」
渡された物を霊歌に確認する。
「アイちゃんが影森君を押し倒した際に使ってね」
霊歌はニコニコしながら答える。
「ちょっと、霊歌ちゃんなにを渡してるの」
アイは顔が赤くなり始める。
「え、なにって◯ン」
「いりません!!」
アイは霊歌の言葉を遮り渡した物を返す。
「アイちゃん、一応持っておきなさいよ」
霊歌は真剣な表情になる。
「絶対に使いません」
顔を赤面して、慌てた様子で答える。
「……アイちゃん、絶対はないからね」
真面目な表情に霊歌はなる。
「絶対はなくても、なんで私が押し倒す前提なの?」
怒った様子で霊歌に話をする。
「だって影森君がアイちゃんを押し倒すのは想像が出来ないからね」
霊歌は笑顔でアイの目を見る。
「……何もおこったりはしないからね」
アイは真面目な表情になり霊歌を見る。
「ちなみに結婚前提で付き合うなら、既成事実作らないとお母さんは認めないからね」
霊歌はニコニコしながらアイの様子を観察する。
「絶対に付き合ったりしないよ」
アイは霊歌に怒った表情を見せる。
「あら、残念ね」
がっかりした表情を霊歌は見せる。
「それじゃあ、霊歌ちゃん行くね」
逃げるように家に行こうとすると肩を掴まれる。
「待ちなさい、もう一つのプレゼントも渡しておくね」
霊歌はメモ帳を出す。
「いらない」
イヤな予感を察知して聞く前に返そうとする。
「アイちゃん、メモ帳の中身の説明させて欲しいな」
霊歌は笑みを浮かべる。
「イヤな予感しかしないからいらないし説明しなくて良いから」
霊歌は必死に逃げようとアイは離れようとする。
「じゃあ中身を見てね」
ノートを開いて霊歌はアイに見せようとする。
「……!」
反射的にアイは目を閉じる。
「あらあら、わたくしの善意をかたくなに断るなんてアイちゃんは悪い子だね」
霊歌は耳元でささやき始める。
「霊歌ちゃんの善意は言葉だけで良いから」
アイは目をつぶりながら離れようとするがひきはがせずにいる。
「それじゃあ特別にノートの中身を耳元でささやくように説明して上げるねアイちゃん」
「いらないし、やめて」
「………………………………」
霊歌はアイの言葉を聞かずにノートの中身をささやくように説明するとボフッと頭から煙が出るぐらいに一気に赤くなった。
「役に立つから覚えておいてね」
霊歌は惚けた笑みでアイから離れる。
「……」
アイは無言でうなずき、逃げるように家に入った。
「あらあら、うぶで本当に可愛いわね」
霊歌は笑顔で逃げて行ったアイを眺めていた。
「本当、アイちゃんは可愛い過ぎて影森君には渡したくないな」
周りの空気が変わり、木にいた鳥が飛んで行く。
「アイちゃん、影森君が熟れてきたら2人とも喰らおうかしら」
空気が重くなり、近くにいた鳥が一斉に羽ばたいた。
------------------------------------------------------------------------------------
どうも作者です。
もし良かったら新作「感情を失った少年と女神。あなたの時間(人生)をいただきます」も連載していますのでよろしくお願いします。リンク↓です。
https://kakuyomu.jp/works/16817330667321843534
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます