全ては事件に繋がっている。あなたは最後、驚愕な事実を知ることになる!?

 すごい!
 この小説を一言で表すと、そんな、ありきたりな感想になってしまいます。
 どんなに言葉を飾っても、それが陳腐なものになってしまいそうで、結局は、「すごい!」という言葉に尽きる。そう思います。


 何を書いてもネタバレになりそうで怖いのですが、出来るだけ本編に触れないように、このミステリのすばらしさを紹介させて頂きますね。


 ミステリー小説って、『この人が犯人かなぁ』とかいろいろ想像しながら読むじゃないですか?
 もちろん、この小説も『犯人誰だろう』なんて思いながら読み進めていました。当然、怪しい人はいるんです。でも、どうにもしっくり来なくて。タイトル通り迷走してしまいました。(タイトルの迷走は、私の迷走とは関係ありません)

 それが、最後に『あぁ、そういうことだったのね』という感じで、今までのエピソードに散りばめられた伏線とかが、綺麗にカチリと嵌まります。
 そして、明かされた真実に驚かされます。
 もうびっくりです。
 さらに、その後、爽快な読後感を感じられます。


 学園ものだけあって、主人公とヒロインのちょっと切なくて、キュンとするような恋のエピソードや、青春らしいエピソードなんかもちゃんとあります。
 物語を通して主人公も、ヒロインもちゃんと成長する。そんなところまで、しっかりと描かれています。

 それなのに、それらすら最後の真相への伏線が含まれたりするんです。

 読みやすいとか、そういうレベルの話じゃありません。
 本屋さんに並んでいるミステリ小説にも匹敵、いや超えるくらいの面白さと読後感を味わえます。

 ぜひ、読んでみてください。

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